毎年記事にまとめている「1年で読んだ本、ベスト5」。
ついに今年もその季節がやってきました。
去年書いた記事のとおり、2023年の目標は「じっくり時間をとる本を多く読む(社会派の話題を扱ったものや小説)」でした。
さて、どんな本がランクインしたでしょうか?
アガサ・クリスティ 『オリエント急行の殺人』
まさに不朽の名作。
とりあえず小説の中でも王道を…と思って手にとりました。
いや〜おもしろかった!
文章自体に引き込まれ、謎解きシーンなんかは追体験しているような感覚で入り込んでしまう。ラストのどんでん返しも大変気持ちよく、笑顔で本を閉じることができました。
この後にアガサの別の代表作『そして誰もいなくなった』も読んだのですが、こちらもやはりラストが印象に残る。
読んだあとにいい気分になれる小説ってなかなかない!
マーガレット・アトウッド 『侍女の物語』
カナダの作家マーガレット・アトウッドのディストピア小説です。カナダ総督文学賞、アーサー・C・クラーク賞受賞作品。
作品世界
舞台であるギレアデ共和国は、近未来のアメリカにキリスト教原理主義勢力によって誕生した宗教国家である。有色人種、ユダヤ人を迫害し他の宗派も認めない。内戦状態にあり国民は制服の着用を義務づけられ監視され逆らえば即座に処刑、あるいは汚染地帯にある収容所送りが待ちうけている。生活環境汚染、原発事故、遺伝子実験などの影響で出生率が低下し、数少ない健康な女性はただ子供を産むための道具として、支配者層である司令官たちに仕える「侍女」となるように決められている。
背景的にも重い作品で500ページもありましたが、夢中になってしまい2日で読み終えました。
主人公はどういう選択をとるのか?どういう結末になるのか?続きが気になってページをめくる手が止まりませんでした。
戦争が(悪い意味で)身近になった2023年、この物語が本当に起こりうるんじゃないか?もうすでにこの世界のどこかでは現実になっているんだろうか?と思えてしまうほどの世界観。希望はあるものの、それが確実なのかわからないリアルさ。すべてがよかったです。
余談ですが、なぜか読んでいる最中はずっと「静かなんだけど、うるさい」という感覚がありました。
それがなんなのかは未だにわかりません。
旬の暮らしをたのしむ会 『旬のカレンダー』
旬にまつわる食材やイベント、花、菓子などを紹介してくれる素敵ブック。まだほとんど読めていないのですが、出会ってよかったなぁと思ったのでランクイン。
柔らかい絵柄が好ましく、ゆっくりと眺めていたくなるデザインです。
おすすめレジャーや家仕事の簡単なサジェストもついていて、”一年を楽しむ方法”がこの本だけで網羅できるのものいい。
「今週の晩御飯はこれにしよう」「来月はこんなことをしてみよう」。素敵なアイデアがインターネットで探すよりも簡単に見つかります。
この本の内容を一年かけて実行すれば豊かな年になること間違いない!
まさに手元に残しておきたい一冊。
チョ・ナムジュ 『82年生まれ、キム・ジヨン』
お隣・韓国のフェミニズム作品。100万部売れた大ベストセラーです。
フェミニズム系とはいえ、ただのフィクション作品…そんな期待を裏切られました。
小説の枠を超えた「教科書」です。
物語の最中に、そっとジェンダーにまつわる実際のデータや史実が組み入れられており、女性の権利とは?社会の中での役割とは?その変化も見事に示されています。
男性の「理解していると言い張るも無理解」「気を遣っているつもりでも使えていない」といった部分も細やかに書かれており、最後はまぁ…衝撃というか…リアルな結末を迎えます。
アンチフェミニズムの男性たちは「現代ではもう差別なんかない!むしろ女性のほうが優遇されている!」と言いますが、ほんとうにそうなのでしょうか?(日本にも似たような方はたくさんいますよね。)
女性ももちろんですが、男性に読んでほしい一冊です。
日経WOMAN 『おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド』
今は彼と結婚を見据えてお付き合いしていますが「もし別れたらどうやって暮らしていこう?」「ひとりで年を重ねていくのに準備できることはなんだろう?」と、万が一の将来を見据えて購入しました。
そんな気持ちでページをめくり始めましたが、1ページ目にあったこちらのアンケートを見てハッとさせられました。
これからの「ひとり力」に必要なものは
(1)金融資産(2)若々しい見た目(3)仕事のチャンスが広がる人脈
いらないものは(1)子供(2)社内外での役職や地位(3)投資経験
こ、これは…!!
そもそもこの本のターゲットは35歳以上の独身女性で、アンケートに回答しているのは40代〜50代の先輩女性です。
その人たちがリアルな声でお金や美しさ、未来の仕事の新しいチャンスは必要だと、反対に子供や、今を縛られている地位などはいらないとおっしゃっています。
めちゃくちゃ響く…!
なぜここまでわたしに響いているのかと言いますと、最近また見た目について悩んでいたのと、子宮の摘出を考えているからなんですよね。
見た目については、例えば医療脱毛したいとか、メガネをやめたいとか、そういう改善したい項目がいくつもあって。
でもずっと行動を起こさずズルズルと27歳まで引っ張ってきました(正社員を辞めてからお金を動かせなくなったっていうのもある)。
でも「若々しさ」が必要なもの第二位という結果をみると…やっぱり綺麗なままでいたいと思い、行動に起こすことに決めました。
そして子宮の摘出。
昔から子供はいらない派だったので、その想いがより強くなりました。
そもそも産む気がないのに毎月生理が来ているのも不愉快ですし、気の迷いが起きないうちに取り去ってしまいたい。
実はちょうど今年に子宮系の病気が見つかり、いい機会だと思って担当医に相談したところ「症状が軽度だから」と言って止められています。
来年以降に改めて相談しますが…どうなることやら。
この本自体は「終活」がテーマの本でアンケートは導入のおまけみたいなものだったのですが、自分にはすごく効きました。しっかりと行動にも起こせたし、もう満足。
本当に読んでよかった、変化をもたらしてくれた一冊です。
2023年の振り返り
以上がわたしの読んでよかった本、ベスト5でした。
- アガサ・クリスティー 『オリエント急行の殺人』
- マーガレット・アトウッド 『侍女の物語』
- 旬の暮らしをたのしむ会 『旬のカレンダー』
- チョ・ナムジュ 『82年生まれ、キム・ジヨン』
- 日経WOMAN 『おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド』
去年はついに読書の楽しさに目覚め51冊を読破しましたがジャンルは料理雑誌など気軽なものが多かったので、今年は「じっくり時間をとる本(社会派の話題を扱ったものや小説)を多く読む」を目標に選んできました。
量より質を意識した結果、今年の読破数は32冊という結果に。
ちなみに、10月ごろSwitchを買ってめちゃくちゃハマっていたため、後半は本を読む機会がぐっと減っていました。笑
他にも読んだ本をいくつか挙げてみると
- 川内有緒 『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』
- カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで』 :ブッカー賞最終候補作
- ハン・ガン『菜食主義者』:ブッカー賞インターナショナル部門
- アンドリュー・ショーン・グリア『LESS』:ピュリッツァー賞 文学部門
などなど、著名な賞を受賞しているものや長編小説などもしっかり読み切って、去年に比べて冊数は減ったけれど3倍以上のページをめくったはず。
ディストピア系の『侍女の物語』、目の見えない人とアートを見る『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』、フェミニズム系の『82年生まれ キムジヨン』など、地に足のついたテーマの作品もたくさん触れて、ひとつひとつの読書の経験が充実していたなと感じます。欲を言えば量ももっとこなせればよかったんだけど…Swtichがおもしろかったもので。笑
またアニメや漫画のジャンルからは
- 鬼滅の刃
- おやすみプンプン
- 恥知らずのパープルヘイズ
なども読みました。漫画も読書の一部だし、もっともっと大事にしていきたいな。
来年の目標は?
さて、2024年の目標は「自分を鼓舞する本」をテーマにしたいと思います。
『おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド』がきっかけで行動を起こせたし、同じような効果を期待!
最近の自分はもうちょっと仕事したいな〜いろいろ私生活もがんばりたいな〜と思っているので、来年は自分に発破をかけてくれる文章に触れていきたい。
いわゆる自己啓発系でもいいし、美容・ファッション雑誌でもいいし、暮らしや健康でもいいし…ジャンルは問わないけど、何かしらモチベーションになる本がいい。
来年の自分のエネルギーになるように。
本をお供に成長していこう!