「『一生モノ』なんてない」
SNSで見かけた言葉。
「一生モノなんてのは存在しない」
「一生モノを理由にモノを買うな」
「だから店員にそんなことを言われても買うな」
という意見でした。
個人的には賛成もできるし反対もできる。モノと真剣に向き合ってるからこそでる言葉だろうな〜と思いました。
今日はこの「一生モノ」について私の思いをお話ししたいと思います。
一生モノってある?ない?
一生モノって、そもそも「一生使えるほど愛用する品」のことですよね。
一生モノって、みなさんはもってますか?
アクセサリー、ジーンズ、時計、着物、革小物、革ジャン、バッグ、靴などなど…。すでにお持ちの方や、購入を夢見てるものがある方は多いんじゃないかな〜と思っています。
では、質問をもう一つ。
今あなたの所有品のなかで、10年以上使っているものはありますか?
こう聞かれたときに、8割の方は「ない」と答えるんじゃないでしょうか。
これが「一生モノは存在しない」トリックです。
買うときは一生モノと思って購入しても、実際には気分が変わって捨ててしまったり、買い替えをしているのがほとんど。とくにアパレルの寿命は短いこともあり、一生モノを探すのは難しいかもしれません。
一生モノが難しい原因
- 趣味・ライフスタイルの変化
- 体型の変化
- トレンドの変化
- プロダクトの劣化
そう、一生モノって、すごく探すのが難しいんです。
まるで結婚と一緒。
婚約をしたときは一生を誓い合う2人でも、35%の確率で離婚を選ぶ世の中です。そんな簡単に生涯の伴侶はみつかるわけもなく、ましてや店員に言われた「永遠に使えますよ」だったり、みんなが憧れてるブランド品だからといって、あなたの長い人生についていけるわけがありません。
だから、一生モノに巡り合える確率は95%ナイ、というのが結論でしょう。
じゃあ「一生モノ」は諦める?
いやいや、ちょっと待ったーー!
先ほど「一生モノに巡り合える確率は95%ナイ」と言いましたが、「一生モノがない」わけではありません。私は購入したモノを「一生モノ」にするかどうかは、購入した人が決めることだと思っています。
結婚した後も良好な生活を築けるかどうかは、婚姻前の相手の調査と、自分の行動次第でかなり変わりますよね?
ライフスタイルは変わります。
ファッションにはトレンドがあります。
ブランド品にはメーカーの倒産・イメージ低下のリスクがあります。
全ての物には劣化があります。
購入した人がこれらを全部受け入れて、メンテナンスして長持ちさせる決意があれば、それは一生モノと呼んでもいいんじゃないでしょうか?
結婚後に相手が豹変(モノが急に壊れたり、想定外に趣味が変わってしまったり)するハプニングは起きますが、それはどうしても仕方ないので気にしないようにしよう。
一生モノ、選ぶならどれ?
自分のライフスタイルの変化や、趣味の変化、モノの劣化などを考えて、問題なさそうなものだけを買えば「一生モノ」は手に入る。
「みんなが憧れている」なんて権威づけは取っ払って、「高い=いいものだろう」というバイアスも忘れてみて、ほんとうにもっておけるかどうかの条件を見極めてみて。
それはきっと、こんなものじゃない?
- 役割が変わらないもの。
- 時代を感じさせないデザイン。
- 年をとっても使える。
- 激しく劣化しない。
- 壊れても修理、手入れができるもの。(メーカーや一般のお店でもOK)
この条件さえみたすものであれば、きっと運命の相手になれるはず。
わたしが一生モノを探すなら…指輪やネックレスなどのジュエリーを選びたいな。
とはいえ、とはいえよ?
さて、ここまではいろいろ「一生モノ」について肯定はしてきましたけども、私自身もそこまで100%は信じていません。
どっちやね〜んとツッコまれそうですが。
いろんな条件があるだろうけど、私が大事にしたいのは「メンテの必要があっても、金銭的な価値が下落するかもしれなくても、一生持っていたいと思ったか」ということ。
『結婚しなくても幸せになれるこの時代に、 私はあなたと結婚したいのです。』
これは2017年のゼクシィの広告コピー。
今の世の中はモノが飽和している時代で、可愛くてトレンドをおさえた品なんか掃いて捨てるほどありますし、ネットにはブランド品の偽物が格安でごろごろ転がっています。そうでなくても、娯楽という意味ではお金の使い先なんかいくらでもあります。
それでも相当の対価を払って一生モノを買う人は、それに「一生」を見出しています。
結婚もそうですよね。
2022年、幸せの形は恋愛だけじゃない世の中で、77億人の中から1人だけに生涯を誓うなんて正気の沙汰ではありません。しかも相手にお金がなくなるとか、浮気されるとかいう可能性もあるのにですよ?
それでも、結婚したい人はしています。
なぜ?相手が好きだから、ですよね。
今どき、結婚相手に「永遠の100%の純愛」を求める人は少ないでしょう。みんなどこかでちょっぴり「いつか愛は冷めてしまうんだろう」って思ってます。それでも一生を見出して(期待して)誓います。
「一生モノ」を買う理由って、きっとそれくらいで十分なんです。
いつか物は壊れるかもしれない、そう思っていても「でもこれからずっと持っておきたい」と考えられたら、購入する一番ステキな理由になるんじゃないでしょうか。
いつか本当に壊れてしまっても、買ったときの純粋な想いは変わらないのだから。
一生モノ、難しいことはわかってる。だけどね…
たしかに一生モノは探すのが難しいと思っています。だけど絶対にないとは思いません。一生モノにするかどうかは、自分の目利きと愛情によるから。
熟考の末、そのプロダクトに永遠を見出したのなら「一生モノ」として思い切って購入するのが最高の選択。自信をもって手にしてください。愛でて愛でて愛でまくりましょう。
他人の意見に惑わされず、自分の考えで取捨選択していくことが自分にとっても、モノにとっても一番心地のいいことだと、私は思います。